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業界情報

注目の新薬

*売上は薬価ベース、*参考:日刊薬業・薬事ハンドブック

2015年4月19日更新

2015年注目の新薬

【糖尿病薬】

国内の糖尿病治療薬市場は急速に拡大している。2013年は4,700億円(前年比10.1%増)2008年から40%近く伸長した。ビグアナイド製剤220億円(20.4%増)、DPP-4阻害剤2,300億円(26.7%増)によるところが大きい。
市場拡大の原動力はDPP-4阻害剤(7製剤8社)の急成長にある。しかしながら注目の新薬としてSGLT-2阻害剤は2014年4月発売の 1.スーグラ(アステラス/寿/MSD)、5月発売の 2.フォシーガ(小野/アストラゼナカ)、3.ルセフィ(大正/ノバルティス)、4.デベルザ(興和)アプルウェイ(サノフィ)、9月発売の 5.カナグル(田辺/第一三共)そして近々販売されるエンバグリフロジン(ベーリンガー/リリー)と半年間で6製剤13社が参入したが、日本糖尿病学会が高齢者への慎重投与を求めたことにより期待したスタートは切れていない。長期収載品が解禁される2015年以降の医療現場の判断に期待するところである。このように短期的に多くの製品が発売されることから2015年度も熾烈な販売競争が予測されるが、各社とも提携による市場開拓により、市場は2017年には5,000億円市場規模が期待される。

【骨粗鬆症治療薬】

2013年の骨粗鬆症治療薬市場は2,660億円(前年比14.7%増)となった。主にビスホスホネート製剤など、骨カルシウムレギュレーターが半分の1,150億円の9.0%増、ビタミンD3製剤が575億円の22.7%増、新薬の副甲状腺ホルモン(PTH)製剤2剤が640億円の39%増、によるところが大きい。骨粗鬆症治療薬市場の勢力図は2010年以降に発売された月1回投与の経口剤や、作用の強力な注射剤などが急速に売り上げを伸ばし、新旧交代がはっきりしてきた。
市場の変化を象徴するのは副甲状腺ホルモン(PTH)製剤の急上昇である。2010年10月発売のフォルテオ(連日自己注射、リリー)は370億円、2011年11月発売のテリボン(週1回通院投与、旭化成)は270億円とすでにピーク時売上予想を上回り、骨粗鬆症治療薬市場の1位、2位を占め、ビスホスホネート(BP)製剤の市場を侵食している。活性型ビタミンD3製剤はアルファロール(中外)、ワンアルファ(帝人)からエディロール(大正富山、中外、2013年320億円、前年比150億円増)に切り替えが進んだ。
また今後のBP製剤は投与間隔の長期化製剤が売上を伸ばすであろう。リカルボン(小野)、ボノテオ(アステラス)は2011年9月に月1回製剤が発売され2剤合計で250億円(2013年)を売り上げた。2013年8月にはボンビバ(大正、中外)が月1回のワンショット静注を発売。2013年6月発売のプラリア(アステラス)はこの領域では初のモノクローナル抗体製剤で6か月に1回投与で、2014年の売上高は55億円(対前年30億円増)で今後期待される。

【抗ガン薬】

2013年度の抗腫瘍薬全体の売上高は9,150億円(薬価ベース)で前年度比6.3%増となった。その中でも新薬参入が相次ぐ、抗腫瘍抗体医薬は3,950億円で前年度比13.8%増、経口の分子標的治療薬は1,450億円の前年度比15.8%と高い成長が続いている。
抗体製剤の中でも、アバスチン(中外、大腸癌治療薬)が適応拡大により785億円(前年度130億増)と拡大した。大腸癌関連の抗体医薬でもアービタックス(メルクセローノ)は160億円(対前年35億円増)。ベクティビックス(武田)195億円(対前年5億円増)。血液癌関連の抗体医薬のベルケイド(武田、ヤンセン)も210億円(対前年35億円増)と売り上げを伸ばした。
その他売り上げが伸びた経口分子標的薬の新薬は慢性骨髄性白血病治療薬のタシグナ(ノバルティス)は160億円(対前年比35億円増)、スプリセル(ブリストル)は185億円(対前年比40億円増)。
多発性骨髄腫治療薬のレブラミド(セルジーン)は適応症拡大により195億円(対前年比30億円増)と売り上げを拡大した。
非小細胞がん適応のザ-コリ(ファイザー)は45億円(対前年25億円増)、腎細胞がん適応のインライタ(ファイザー)80億円(対前年50億円増)と大きく拡大した。特に2014年4月に発売になった去勢抵抗性前立腺癌適応のイクスタンジ(アステラス)は2014年上半期に56億円を売りあげた。
イクスタンジは米国では2012年度に発売され、2014年度は米国で718億円を見込んでいる。同じくヤンセンファーマのザイティガが2014年9月に発売になった、米国では2011年に発売になっており、2,000億円規模の売り上げになっており、2015年は大きく売り上げを伸ばすであろう。
 また、2014年9月に発売になった根治切除不能な悪性黒色腫の効能のヒトPD-1モノクローナル抗体のオプジーボ(小野薬品)は初の免疫チェックポイント阻害剤で、今後の癌治療の流れが大きく変わることが期待される。この免疫チェックポイント阻害剤はロシュ、アストラゼネカ、協和発酵キリンが開発を進めており、今後の癌治療の中心になることが期待される。

【C型肝炎治療薬】

国内に200万人に規模の感染者がいると推測されるC型肝炎では、今までリパビリンとインターフェロン製剤を組み合わせた治療が中心であった。2011年に経口プロテアーゼ阻害剤(テラビック)が発売され、3剤併用の治療が始まったが副作用の影響で治療の中心にはならなかった。2013年12月にジェノタイプⅠ型の経口C型肝炎治療薬ソブリアード(ヤンセン)が発売され、2014年の売り上げは165億円(対前年105億円増)とC型肝炎治療の中心となった。さらに2014年7月にダクラタスビルとアスナプレビル(BMS)が承認申請され新たな治療の選択肢が提供され、今後の大型化が期待される。